- 脳の神経細胞を支持する細胞(星細胞、グリア)が腫瘍化したものです。
- 脳内に染み込むように入り込んでいく(浸潤といいます)のが特長です。
- 神経線維に沿って這うように浸潤していきますが、初期段階では進展に一定の法則があります。
- いきなりできてくる”de novo(デ ノボ)“typeとlower gradeから転化してできてくるものとがあります。
- ほとんどが大脳半球にできますが、特に前頭葉、側頭葉に発生します。
- 平均生存期間は17ヶ月と脳腫瘍の中でも最も悪性の腫瘍です。
- 原発性脳腫瘍の50%を占め、転移性の脳腫瘍なども含めたすべての脳腫瘍の中で20%近くを占める頻度の高い腫瘍です。
- 好発年齢は40−70歳、平均で64歳です。
主な症状
- 頭痛や吐き気
- 食欲低下、最近元気がない、よく寝るようになった
- てんかん発作
- 感情や性格の変化
- 手足に力が入らない、しゃべりにくい など
診断
- 診断はMRIで比較的容易につけることができます。
- ガドリニウムという造影剤を使って撮影を行うことで、腫瘍辺縁が白く染まり、内部が黒く抜けてみえます。
50歳台の患者さんで、頭痛と性格変化を主訴に来られた患者さんです。MRIのガドリニウム造影を行うと、内部が黒く抜けて、周りが白く染まっていることが分かります(左図)が、T2というMRI撮影では造影で染まる範囲よりもっと周囲に白くみえる影がうつっていて、広く浸潤している像が確認されます(右図)。
この写真はMRIで運動神経線維を出したものですが、上のT2で腫瘍の周り白く見えている影に線維が押されていることが分かります。浸潤と浮腫が混在していると予想される所見です。
腫瘍が大きくなるのにそれほど時間はかかりません
この患者さんはわずか3か月で腫瘍ができています。上に書いたde novoタイプの患者さんですが、このように腫瘍が大きくなるのにそれほど時間は要しません。4-5日あれば、腫瘍は倍化できていく計算です。