福岡県筑後市の脳神経外科・小児脳神経外科・リハビリ科の寺崎脳神経外科です。
このところ、朝晩の冷え込みが強くなってきています。インフルエンザも出てきていますので、体調管理にはみなさん十分注意してくださいね。
今日はこのてんかんは年齢が増えると増加するのか?というお話しです。
Prevalence of adult epilepsy in a general Japanese population: The Hisayama study.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30868129
てんかんは確かに運転中にドライバーが発作を起こせば重大事故につながるリスクがあり、たびたび社会問題としても報じられています。ただ、これまで日本での人口ベースでのデータは見られませんでした。
今年の1月に報告されたこの論文は、40歳以上(4,679例)の方を対象に、心血管リスク因子とてんかん発作の経験の有無についての調査を解析した結果となっています。
この論文では、
対象となった3333人中、23例がてんかんと診断され、有病率は1,000人あたり6.9人となっていました。
年齢層では、
40~64歳の中年層は1,000人あたり3.6症例
65歳以上の高齢層では1,000人あたり10.3症例と有意に多くなっていて、その差には約3倍の開きが見られるという結果でした。また、てんかんの主な原因として脳血管疾患が多いことも示されました(n=11、てんかん症例の48%)。
さらに驚くことに、症例の半数以上が65歳以上で初回のてんかんエピソードという結果でした(n=13、同57%)。
これらの結果は、脳血管障害がてんかんの発症に関係していることが示されており、今後ますます脳梗塞などの予防が大事だということを示しています。
高齢者のドライバーも今後増えてくると思いますが、脳梗塞などの予防はしっかりしながら、楽しい毎日を過ごしてくださいね^^
よろしくお願いします。
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