福岡県筑後市の脳神経外科・小児脳神経外科・リハビリ科の寺崎脳神経外科です。

2月に入り寒い日が続いていますね。昨年のブログにも記載していましたが、前日との気温差が出ている場合には脳卒中の発症が増えることがわかっていますので、体調管理には十分に気を付けて下さいね^_^

◆気温差が大きいと「脳卒中」のリスクが上昇!!
https://terasaki-nsc.com/blog/421/

今回は肥満と脳卒中のリスクに関するお話しです。日本人が発症する脳卒中の約半数は脳梗塞が占めています。脳梗塞は「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓症」の3つの病型に分けられますが、病型別の発症リスクと肥満度との関連は不明でした。どの程度肥満だと、どの脳梗塞になりやすいのでしょうか?

Body Mass Index and Risks of Incident Ischemic Stroke Subtypes: The Japan Public Health Center-Based Prospective (JPHC) Study.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30555115

国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループが1990年から1994年までに行われた88.756名の男女を対象にデータを解析した結果です。追跡期間はなんと、20年です!

ラクナ梗塞 アテローム血栓性脳梗塞 心原性脳梗塞
男性 p=0.007 p=0.002 p<0.001
女性 p<0.001  p=0.003 p=0.14

上の表は、BMIが高くなるほど(肥満になるほど)脳梗塞の3病型の発症頻度が増えるかを示したデータです。p値が低いほど有意に発症が増えるという意味になります。つまり、男性ではBMIが高いほど3つの病型の脳梗塞とも発症リスクは高くなり、一方、女性ではラクナ梗塞(P<0.001)とアテローム血栓性脳梗塞(P=0.003)のリスクが高いことが分かります。

また、BMIが適正な人に比べて、30を超える肥満であると男女とも心原性脳塞栓症リスクが約2倍に増え、女性ではラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞のリスクも約2倍に高まると報告しています。

肥満は脳梗塞のリスクを増やすことが明らかとなっていますので、BMIは適正に、体調維持をされてくださいね(^.^)

よろしくお願いします。

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