- ものが二重にみえる
- 視力が急に悪くなった
- 最近よくものにぶつかるようになった。
脳の病気が原因で眼の症状を来たすことがあります。眼の神経(視神経といいます)は脳の中を走行して後頭葉という後ろ頭にある脳へ到達して視力と視野をつかさどります。また、眼の動きに関係する神経が障害されることでもものがだぶってみえたりします。
視神経そのものの異常があるばあい
- 脳腫瘍(例:脳腫瘍-毛様性星細胞腫)
- 視神経の炎症(例:視神経脊髄症)
視神経から後頭葉までに原因があるばあい
- 脳腫瘍(例:下垂体腺腫)
- 脳梗塞
- 脳出血
- 脳の変性(例:多発性硬化症)
眼の動きが障害されたばあい
- 脳腫瘍
- 動脈瘤
- 脳梗塞
など
このように部位によって色々な原因があるため、眼の症状が出た際にはCTやMRIでちゃんと脳の状態を調べる必要があります。
この子は1歳の子で、様子がおかしいとお母さんが連れてこられました。MRIを見ると、中央のこぶ状にふくれているものが、視神経そのものになります。画像で毛様細胞性星細胞腫と診断できますので、化学療法で治療ができます。
この子は10代の男の子で、視力低下と物がダブって見えるため受診しました。MRIを取ると、視神経が腫瘍で伸展されているのがわかります。生検(ちょっとだけ組織をとる)手術で胚腫という腫瘍でしたので化学療法と放射線治療で腫瘍は完全に治療できています。