福岡県筑後市の脳神経外科・小児脳神経外科・リハビリ科の寺崎脳神経外科です。

頭痛は大人にみられるものと思われがちですが、実際は多くの子ども達が頭痛で悩んでいます。十分な問診、頭部CTやMRI所見などを参考に、適切に診断し、治療方針を決めることが重要となりますので、頭痛でお悩みの方は一度ご相談下さい。ここでは腫瘍や副鼻腔炎、中耳炎などの疾患を除いた、子どもの反復性の慢性頭痛にについてお話しします。

偏頭痛

  • 子どもに見られる頭痛の20%をしめていて、小学校低学年からみられます。
  • 多くはこめかみ(側頭部)のズキズキする頭痛で発症する事が多いです。
  • 発症直前に白い点や明るい光がチラチラと見えたり、物が歪んで見える等の前兆を伴う子が30%に見られます。
  • ひどい時には吐き気や嘔吐等を伴い、学校にも行けなくなることがあります。
  • 女の子に多く、家族内に頭痛持ちの方がいることが多いです。

筋収縮型頭痛

  • 発症年齢は偏頭痛と同じで、小学校低学年からみられます。
  • 子どもにみられる頭痛の30%をしめています。
  • 偏頭痛とは違い、頭痛の始まりと終わりがわかりにくいのが特徴です。
  • 多くは締め付けられるような頭痛を訴えます。
  • 遊んでいるうちに忘れるような頭痛ですので、なかなか受診されないのも特徴です。

起立性調節障害

  • 発症年齢は偏頭痛や緊張型頭痛と同じで、小学校低学年からみられます。
  • 子どもにみられる頭痛の15%と言われています。
  • 朝起きて訴えるため、学校に行けなくなる子(不登校になる子)のうち30%がこの頭痛の可能性があります。
  • 半数に遺伝的な素因が見られます。
  • 多くは自律神経の未発達に伴い、脳循環障害によって起こるものです。

心理的・社会的ストレスに伴う緊張型頭痛

  • 発症年齢は偏頭痛や緊張型頭痛と同じで、小学校低学年からみられます。
  • 子どもにみられる頭痛の15%と言われています。
  • ズキズキや押さえつけられたような頭痛をこめかみや頭頂部に訴えます。
  • 今まで遊んでいたかと思うと、急に頭痛を訴え、またしばらくすると何事もなかったかのように元気に戻ります。

 

治療の流れ

  • 頭痛を治療する場合、どこにどのように出ているのを聞きながら、家族背景や生活習慣を聞いていくことから始めます。
  • チョコレートやゲーム、低気圧や気温の変化で悪化されているのかなどを確かめていきます。
  • 生活習慣を改めれば改善していくものも多々みられますので、そういった場合には生活指導のみを行っていきます。
  • 頭痛が強固であったり、学校をすでに休みがちになっている子には、予防が必要なのか、それともその時々で治療が必要なのかを判断していくことにしています。
  • 予防は頭痛自体が出るのを減らす目的で行っていますが、治療はその時のものを治してあげることを目標としていきます。
  • 予防として生活習慣の改善、必要であれば内服治療を、治療としてはその時に必要な内服を処方しています。

治療のゴール

すでに若い頃から頭痛をお持ちの親御さんであればお分かりのことかと思いますが、頭痛も成長します。人の成長と同じように頭痛にも暴れん坊の時期があります。この時期をうまく乗り越え、子どもたちが「頭痛はちゃんとコントロールできる」と安心してもらう事を治療の目標にしています。親御さんと一緒に理解を深める事で、日常生活の妨げとなる頭痛の強さと回数を減らし、頭痛が起こっても「大丈夫だ」と子どもたちにも自信を持ってもらうようにするのが最終目標です。

 

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